CD・アナログレコードが今また売れている理由
ストリーミング全盛の時代に、なぜCDやレコードが見直されているのか。若い世代にも広がる「物理メディア回帰」の背景と魅力を掘り下げます。
文:Mudig編集部
SpotifyやApple Musicで何千万曲も聴き放題の時代に、なぜ今さらCDやアナログレコードが売れているのでしょうか。実は近年、世界的にフィジカル(物理)メディアの売上が再び伸びており、特にアナログレコードは10年以上連続で生産枚数が増加しています。この記事では、デジタル全盛の時代に物理メディアが見直されている理由と、その楽しみ方を探っていきます。
数字で見るレコード・CDの復活
イギリスのレコード産業団体BPIによると、2023年のアナログレコードの売上枚数は1990年以来の高水準を記録しました。日本でも状況は似ており、レコード専門店の新規オープンが続いています。CDも「終わった」とよく言われながら、アーティストのファンダム文化(特にK-POPやアイドル市場)に支えられ、特定の層では根強い購買が続いています。
なぜ物理メディアが再評価されているのか
1. 「所有する」体験の価値
サブスクでは楽曲を「借りている」感覚がどうしても強い。契約をやめれば音楽は聴けなくなりますし、アーティストが配信をやめれば消えてしまいます。一方、CDやレコードは自分のものとして「持つ」ことができます。棚に並べる、手に取る、ジャケットを眺める——そういった物理的な所有の体験が、デジタルに慣れた世代にとってむしろ新鮮に映っています。
2. アートワークやパッケージの魅力
スマホの小さな画面ではわかりにくいですが、レコードのジャケットはA4サイズほどの大きさ。アーティストのビジュアルや歌詞カード、ライナーノーツ(解説文)が大判で楽しめます。CDも歌詞カードやブックレットが付属しており、音楽体験を豊かにしてくれます。「聴くだけじゃなく、見て楽しめる」のが物理メディアの強みです。
3. 音への向き合い方が変わる
アナログレコードは1枚をかけたら、針が溝を刻む音まで含めて再生が始まります。A面が終われば自分でひっくり返す。途中でスキップしない。このプロセスが「ながら聴き」ではなく「能動的に音楽と向き合う時間」をつくってくれます。サブスクで飛ばしてばかりいたアルバムも、レコードで通して聴くと全体の流れが見えてきて、新しい発見があることも。
4. ファンとアーティストをつなぐ「応援消費」
CDはサブスクより遥かにアーティストへの収益が多く還元されます。好きなアーティストを直接支えたいという気持ちから、サブスクで聴きながらもCDを買う、という「二重の楽しみ方」をするファンも増えています。特に特典(握手会、応募シリアル、限定写真など)が付くアイドル・K-POPのCDは、ファンにとって体験込みの商品として機能しています。
5. インテリアとしてのレコード
若い世代を中心に、レコードをインテリアとして楽しむ文化も広がっています。おしゃれなレコードプレイヤーをリビングに置き、週末にレコードをかける——そのライフスタイルがSNSで発信されることで、音楽ファン以外にも「かっこいい趣味」として認知されるようになっています。
初めて物理メディアを買うなら
レコードプレイヤーは安いものなら1〜2万円台から手に入り、初心者向けの機種も充実しています。まずはお気に入りのアーティストのレコードを1枚買って、ジャケットを眺めながらゆっくり聴いてみてください。CDなら今すぐ始められます。アーティストの公式サイトやライブ会場、タワーレコードなどで、ぜひ手に取ってみましょう。
まとめ
CDやアナログレコードの復活は、「デジタルへの疲れ」と「音楽をもっと豊かに楽しみたい」という欲求の表れだと思います。サブスクと物理メディアは対立するものではなく、それぞれの良さを使い分けるのが現代の音楽の楽しみ方。お気に入りのアルバムを手元に置いて、じっくり向き合う時間をつくってみてはいかがでしょうか。